平成の極悪非道リフォーム詐欺会社、
(株)賃貸コンシェルジュの実態

私はこうして騙された!(第一章)
被害者1、(施主A)
~ 新聞広告から契約までの経緯 ~
・平成25年5月、きっかけは新聞広告
始まりはリフォームコンシェルジュの新聞広告を目にしたことでした。
当時リフォームを検討し、数社に相見積もりを依頼していましたが、広告にいいことばかり書いてある。
他の業者で契約を決めかけていましたが、最後に相見積もりをしてみようと電話をかけました。
【広告表】

すぐに山本社長自身が現場に来ました。
リフォームは自宅と言ってもマンションのような6世帯あるRC3階建ての建物。
2階部分には元々ワンルームが3世帯あったが、自宅と趣味室の2世帯に仕切りなおすスケルトンリフォームと、また地階に私の会社事務所が1室ありましたが、数年前の法改正で地下室を容積率に入れなくてよくなったため、その分を屋上に1室増築するという3世帯分の大掛かりな工事となります。

山本社長の第一印象は物腰やわらかく、言葉遣いが丁寧で愛想を振りまく感じで話しやすく好印象。
しかも多くの希望や面倒な依頼も嫌な顔せず「大丈夫です」「できます」「お任せください」と何でも受け入れてくれます。
決定的だったことは「トイレの配管経路」でした。元々水回りがない趣味室にトイレを新設するための配水管をどこにつなぐか?既存の配管までは距離があるため勾配を付けるとかなり床を上げなくてはならない。段差を付けたくなかったため、なんとか床下に穴をあけて階下のパイプスペースまで隠ぺいして配管を取り回せないものかと考えていたところ、他の数社が専門の配管職人を連れてきて現況確認し、「梁があるため配管が通せない」と断られたことを、山本社長は初めて「できますよ。大丈夫です」と言ったことで、技術力を信用しました。
また見積金額は1200万円でしたが、予算の1000万円まで値引きに応じてくれたのでこの会社に注文することを決めかけていました。なにしろあれがしたいこれがしたいの数多くの要望に嫌な顔一つせず、「大丈夫です。任せてください。予算内でやります。ぜひうちにやらせてください。」と何でも聞き入れお願いまでされました。金額や技術力から判断して「もうこの会社以外に選択肢はないな」とさえ考えていました。
しかしこれらの説明が虚偽であることに気が付いたのは契約して着工後のことであった・・。
・平成25年10月、ようやく資金確保
工事予算が1000万円とはいえ自己資金がほとんどなかった私は、いくつもの銀行やローン会社にリフォームローンの融資を相談していました。しかし購入から5年ほどしか経っていない自宅の住宅ローンもまだ20年以上残っており、収入もそれほど多くなかったのでなかなか融資が下りない中、半年掛かりでようやく限度額700万円まで融資いただける銀行が見つかりました。
そして不足分の300万円はなんとか親に相談して借りることができました。
半年もの間、融資先がなかなか見つからず、ようやく苦労して借り入れることができた経緯を山本氏にも話していました。
・平成25年10月、会社がない?
用意できる全財産を託すこともあり、賃貸コンシェルジュがどのような会社かネットで検索してみました。
しかしどのように検索してもホームページが見つかりません。
広告を見る限り大きな会社のように見えるが今時ホームページすらない???????
1つ見つけたのは「不誠実な対応されました。お勧めしません」という口コミサイトの悪評でした。

【実体のない3つの営業所】

国立エリアに配った広告では【国立市に間もなくNEWオープン!!!】と出している。好業績を装った完全なる虚偽広告である。
広告には【Coming Soon!世田谷桜新町にオープン!!!】
しかしこの時すでに負債は数千万円、国税も設立時から約9年間滞納し続け、多額の債務を抱えて経営破綻状態。広告配布時は社員さえ一人もいない、完全なる個人経営であることが分かった。当然に世田谷営業所のオープン予定など一切なく、虚偽記載である。
疑問を感じた私は、本社と記載の住所を見に行きました。
Concierge-Reform 杉並本社 東京都杉並区成田東2丁目10番5号
しかしそこにあったのは賃貸マンション。どの部屋をみても賃貸コンシェルジュの表札がない。しかし駐輪場の自転車に部屋番号と「山本」の記載があり、その部屋を見るとどうやら2DKぐらいで子供の三輪車やスケボーが無造作に置かれていたことから社長の自宅であることが分かったが、会社の実態はなさそうであった。
玄関ドアにはボコボコに蹴られたような跡があり嫌な予感がした。


次に練馬営業所を見に行った。
東京都練馬区関町北4丁目35番17号
ここには廃墟のように古~~い無人のボロアパートだけがあり、ここも会社の実態がない。
後に分かったことは過去に父親の会社「株式会社建匠」が倉庫として借りていたらしい。
山本社長は自身の会社を立ち上げる前、この父親の会社で働いていた。
山本社長にこれらのことを確認すると、「事務所は西東京市に引っ越しました。そこは自分で更地を現金で買って平屋をキャッシュで建てました」そして「父親が同じリフォーム業を細々と営んでいるので一緒にやらないかと誘い、同じ事務所で営業しています」と答えました。聞いてもいないのに土地と建物を現金で買ったと、会社が儲かっているかのように強調して説明した。
しかし、この事務所は父親が第三者から賃貸している物件であり、山本社長は単に間借りしているだけであることが、後の父親の話しから分かった。私から1000万円の契約を取るために、事実を隠して虚偽の説明をしたのである。

【山本社長が現金で買ったと説明した土地建物。西東京市柳沢2-13-8】


【土地、建物の所有者は全くの他人のものであった。
しかも家賃を何ヶ月も滞納していることも分かった】
その実態を知らなかった私は山本社長の説明から、会社事務所の実態があり、土地と建物を現金で買えるほど儲かっていて、更に営業所もオープン予定とは、良い社員がいて良い経営ができているのだろうと思ってしまいました。
そして正式契約の前に、会社概要と施工実績表の提出を山本社長に求めました。
・会社概要は虚偽記載のオンパレード!

山本社長はすぐさま上の会社概要を持ってきました。
そして施工実績はノートパソコンに保存してある施工写真を見せられました。
会社概要には
従業員数:6名(他専属職人2名)計8名
年商 :120,000,000円(2012年10月~2013年9月)
との説明。今時HPもなくてどうやって営業しているのか尋ねると、「営業は新聞広告のみですが、100万円の広告経費に対して平均して1200万円以上の売り上げがあり、2~3割の利益が出る。それを年に数回出しているのでこれくらいになります」と答えた。
しかし後に年商は半分程度の約6500万円しかなく、従業員は1名もいないことが分かることになる。
後に正社員として松木氏を1名だけ採用したが、この書類を提出した翌月の25年11月からのことであった。

後に山本社長から直接入手した損益計算書。
2012年10月~2013年9月は売上12000万円と説明したが、実際には6500万円程しかないことが分かった。
~ 契約して着工 ~
・すっかり騙され契約してしまう
【工事請負契約書】

山本社長の説明を信じてしまった私は、平成25年10月29日に誓約を取り交わした。
・契約金額は1039.5万円.
・工期は平成25年11月18日~平成26年2月末日まで。
(約3ヵ月半)
・支払い条件は、契約時350万円、着工時210万円、中間時350万円、完工時129.5万円の4回払い。
契約となったらすぐに着工して欲しかったのだが、山本社長から「他の現場が忙しいので2週間ほど待ってください」と言われたため、11月18日が着工日となった。
契約の時点では見積書と会社概要しかもらっていなかったが、リフォームの希望を全て伝えた上で、異論なく承諾されていたこと。多少の差額は山本社長が負担してくれることなどを約束していたので、契約を締結した。
着工までの間に図面、カタログ、仕様書、工程表などを提出するよう依頼すると、山本社長は「分かりました。すぐお持ちいたします」と答えた。
しかし見積依頼の際に私が渡した、他の相見積もり業者が用意した図面や仕様書を、着工後も現場の職人と使い回していた。
契約後、すぐに契約金の350万円を支払い、11月18日になると現場に職人が来て着工したので追加で着工金210万円を支払った(この時点で全額の約54%の支払い)。
しかし着工金を支払うとまた職人が現場に来なくなり、山本社長に理由を尋ねると「他の現場が忙しいのでもう少し空けさせてください」と言われた。
着工金を支払わせるための形だけの着工だ。
なお図面やカタログなどは話す機会があるごとに催促するが、一向に持ってこない。使用材料などが何も決められない状態で放置された。
【見積明細書】5枚




